マヨネーズによる魚の生臭さ低減効果の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of mayonnaise on reduction of a fishy smell

説明

<p>【目的】魚は多価不飽和脂肪酸を豊富に含み,その健康機能が注目されている。しかし,魚には特徴的な生臭さをもつものがあり,近年問題視される魚離れの一因になっていると考えられる。そこで,それらの生臭さを低減することは,魚の摂取量を増やし,結果として人々の健康に寄与できると考えた。これまでに,調理魚の生臭さ低減にはマヨネーズによる下処理が有効であることが確認されている。本研究では,日本食の代表的な魚料理である寿司に着目し,マヨネーズ添加による生臭さ低減効果,およびその作用機序について検討を行った。</p><p>【方法】対象にする魚としては,生臭さが嗜好性低下の要因になっていると考えられるイワシを選択した。握り寿司(1/2個)の寿司ネタとシャリの間にマヨネーズを添加(0.5g)し,専門官能評価パネルにより,生臭さと嗜好性を評価した。また,SPME-GC/MSを用いた香気分析を実施し,生臭さの要因となる成分を測定した。さらに,生臭さ低減効果の作用機序を明らかにするため,マヨネーズ原料である油脂,食酢,卵などの効果を評価した。</p><p>【結果および考察】官能評価より,マヨネーズを添加した試料では,無添加の試料と比較して,有意に生臭さが抑制されることが明らかとなった。また,香気分析の結果,イワシ中の生臭さの要因と考えられる2,4-へプタジエナール等のアルデヒド類がマヨネーズ添加によって低減することが示された。さらに,油脂または卵の添加によって生臭さ低減効果が認められたことから,これらの原料がマヨネーズの生臭さ低減効果に寄与していることが示唆された。以上より,マヨネーズを魚に添加することは生臭さ抑制に有効であり,魚摂取量の増大に貢献することが期待される。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763134628096
  • NII論文ID
    130007695642
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_152
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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