電子レンジ調理において鶏胸肉の仕上がりに不織布が与える効果
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of nonwoven sheet in microwave cooking on the quality of chicken breast meat
説明
<p>【目的】電子レンジ調理は,短時間で簡単に調理できるメリットがあるが,仕上がりに不満が多く,未だ使用する人は1割と少ない。本研究では,電子レンジでもおいしく仕上げられる調理方法の作成を目指し,不織布に包んだ食材に調味液をかけて電子レンジ加熱する簡便な調理方法について,鶏胸肉を例に仕上がりに与える効果を科学的,官能的に検証した。</p><p>【方法】不織布(リードクッキングペーパー,ライオン(株)製),対照の汎用キッチンペーパー,ラップの3種を使用した。鶏胸肉1枚(300g)を不織布(ペーパー)で包み(ラップは皿を包み),耐熱皿に置き,調味液(蜂蜜大さじ1,醤油大さじ3,味醂大さじ2,酒大さじ2,水大さじ2)をかけ,電子レンジ600Wで4分加熱後,裏返してさらに4分加熱した。加熱後の鶏肉について成分分析(水分量,脂質量,原子吸光光度法による染み込み量),目視観察(染み込み分布),官能評価(食味)により仕上がりを評価した。</p><p>【結果および考察】不織布を使用した場合,水分量,脂質量,調味液の染み込み量全てにおいて対照よりも多いこと,鶏肉表面全体にムラなく調味液が染みており,仕上がりが良いことが確認された。これは,不織布により均質に吸収された調味液により食材表面からも加熱されることでより早く熱が通り,水分,脂質の流出が抑制したためと考えられる。また,不織布がより多くの調味液を保持し,レンジ加熱中に,常に鶏肉と調味液が接した状態を保てるため,染み込みムラなく,量も多かったと考えられる。官能評価でも,不織布使用が最もジューシーで味も染み込み,おいしさで有意差を確認した。よって,不織布の活用は電子レンジ調理にておいしく仕上がる有用な方法であることが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 31 (0), 164-, 2019
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763134999424
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- NII論文ID
- 130007695660
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可