腸骨移植後に埋入した2 種類の異なる表面性状の インプラント体の臨床的検討

  • 髙藤 恭子
    岩手医科大学歯学部補綴・インプラント学講座
  • 鬼原 英道
    岩手医科大学歯学部補綴・インプラント学講座
  • 畠山 航
    岩手医科大学歯学部補綴・インプラント学講座
  • 横田 潤
    岩手医科大学歯学部補綴・インプラント学講座
  • 折祖 研太
    岩手医科大学歯学部補綴・インプラント学講座
  • 近藤 尚知
    岩手医科大学歯学部補綴・インプラント学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical evaluation of two different surface implants after iliac bone grafting

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抄録

<p>近年インプラント治療が欠損補綴の1つとして必要不可欠なものとなっており,それに伴いインプラント体の表面性状の開発も目覚ましく発展している.これまで,腸骨移植による上顎洞底挙上術における比較研究の報告は機械研磨のインプラント表面に関するものが多く,表面処理されたインプラント体に関する報告は少ない.今回,両側臼歯部の顎堤が高度に萎縮した上顎を腸骨移植による上顎洞底挙上術で再構築した2症例に,陽極酸化処理をしたインプラントあるいはサンドブラストと酸処理をしたインプラントを埋入し,術後の経過について臨床的検討を行ったので報告する.いずれの症例とも術後の骨吸収など,顕著な異常を認めなかった.現在までに,炎症などの異常所見は認めず,3カ月に1回メインテナンスを行っており,経過は良好である.異なる表面性状のインプラント体を使用した2症例で,大きな差異は認められなかった.長期的に良好な予後が得られていることから,インプラント体の表面性状にかかわらず,上顎洞の容積が大きく,大量の移植骨が必要で,口腔内からの骨移植では十分な骨量が得られない場合には,腸骨移植が有効だと考えられる.また,患者の主訴である咀嚼困難や審美不良の改善が認められたことから,患者のQOL の向上に大きく貢献できたものと考える. キーワード:デンタルインプラント,表面性状,上顎洞底挙上術,腸骨移植</p>

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