動眼神経麻痺にて発症した原発性軟髄膜リンパ腫

書誌事項

タイトル別名
  • Primary leptomeningeal lymphoma with oculomotor paralysis as the initial presentation
  • 症例報告 第10回日本血液学会関東甲信越地方会 優秀演題 動眼神経麻痺にて発症した原発性軟髄膜リンパ腫
  • ショウレイ ホウコク ダイ10カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ ユウシュウ エンダイ ドウガン シンケイ マヒ ニテ ハッショウ シタ ゲンパツセイナンズイマク リンパシュ

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抄録

<p>85歳男性。右眼瞼下垂・視覚異常を認め当院受診。単純MRIおよび血液検査にて異常所見を認めず重症筋無力症としてステロイド療法を開始したところ眼症状は自覚的に改善が見られていた。一方で食思不振が出現,増悪し,意識レベル低下,体動困難も認めたため,精査目的に入院となった。入院後に左眼内転障害および両側外転神経麻痺も認められるようになり,造影MRIにて複数の脳神経および一部の軟髄膜に造影効果を認めた。その後けいれん発作を惹き起こし,診断に至らないまま第10病日に死亡退院となった。剖検ではびまん性に混濁・肥厚したくも膜と,くも膜下腔に浸潤した異型リンパ球が指摘され,原発性軟髄膜リンパ腫(primary leptomeningeal lymphoma)の診断に至った。原発性中枢神経系リンパ腫の稀な一病型であり,画像所見から直ちに腫瘍性疾患を想定しにくいため,注意を要するべき疾患と考えられた。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (2), 116-121, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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