ニジマス(<I>Oncorhynchus mykiss</I>)の Polyinosinic-polycytidylic acid(PIC)投与による免疫賦活作用および同薬剤に対する耐性に及ぼす諸要因

  • 西川 翔太郎
    Faculty of Fisheries Sciences, Hokkaido University
  • 中野 哲郎
    Technical research laboratories, Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. Graduate school of Agriculture, Hokkaido University
  • 笠井 久会
    Faculty of Fisheries Sciences, Hokkaido University

書誌事項

タイトル別名
  • Factors affecting tolerance and immunoreactivity of rainbow trout (<I>Oncorhynchus mykiss</I>) to Polyinosinic-polycytidylic acid
  • Factors affecting tolerance and immunoreactivity of rainbow trout (Oncorhynchus mykiss) to Polyinosinic-polycytidylic acid

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説明

PIC はイノシンとシチジンからなる dsRNA であり,強い免疫賦活作用を有する。魚類に対しても免疫賦活剤としての利用が検討されているが,低水温下では魚に対し毒性を示す場合がある。また PIC は鎖長によって免疫賦活作用が異なることがマウスで報告されている。本研究では PIC のニジマスに対する毒性および免疫賦活作用に及ぼす水温ならびに構造について検討した。サイズの大きいニジマス(145 g)は小さいニジマス(12 g)よりも PIC に対する耐性が高かった。また,Mx 遺伝子発現量は高水温下(17°C)では PIC 投与1日後に最大値に達し,以後速やかに減少したのに対し,低水温下(4°C)では長期間発現し,死亡魚もみられた。鎖長の異なる6種類の PIC を比較したところ,PIC の鎖長と Mx 遺伝子発現量との間に有意な相関性が認められなかったことから,PIC のニジマスに対する免疫賦活作用には PIC の鎖長よりも水温が影響することが示された。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 67 (1), 25-32, 2019

    日本水産増殖学会

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