術後肺転移,脳転移を来した乳腺間質肉腫の1例

DOI Web Site Web Site Web Site 参考文献16件 オープンアクセス
  • 佐藤 陽子
    山口大学大学院医学系研究科消化器・腫瘍外科学(外科学第二)
  • 深光 岳
    山口県済生会下関総合病院 外科
  • 山本 滋
    山口大学大学院医学系研究科消化器・腫瘍外科学(外科学第二)
  • 永野 浩昭
    山口大学大学院医学系研究科消化器・腫瘍外科学(外科学第二)
  • 濱野 公一
    山口大学大学院医学系研究科器官病態外科学(外科学第一)

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Stromal Sarcoma of the Breast, Which Result in Lung Metastasis and Brain Metastasis after Surgery
  • ジュツゴ ハイ テンイ ノウ テンイ オ キタシタ ニュウセン カンシツ ニクシュ ノ 1レイ
  • 症例報告 術後肺転移,脳転移を来した乳腺間質肉腫の1例
  • ショウレイ ホウコク ジュツゴ ハイ テンイ,ノウ テンイ オ キタシタ ニュウセン カンシツ ニクシュ ノ 1レイ

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抄録

<p>乳腺悪性腫瘍の中で稀な疾患である乳腺間質肉腫を経験したので報告する.症例は68歳女性,2年前より右乳房腫瘤を自覚していた.腫瘤の皮膚露出・自壊を認め,当院を受診した.右乳房に径12cm大の腫瘤を認め,針生検で乳腺間質肉腫と診断され,右胸筋温存乳房切除術およびセンチネルリンパ節生検が施行された.センチネルリンパ節は転移陰性であった.術後3ヵ月目に右肺転移巣が出現し術後6ヵ月目のCT検査で肺転移巣は増大していたが,他に新規転移巣が認められないため,肺転移巣に対して手術適応とした.腫瘍は右上葉,下葉に軽度の直接浸潤が認められた.右乳房切除術10ヵ月後,左多発脳転移による右不全麻痺で救急搬送され,全脳照射が施行された.一旦は脳転移巣の軽度縮小が認められ,全身状態は改善した.その後,緩和目的にて転院となり,乳房切除後12ヵ月後に脳転移が増悪し,脳ヘルニア,悪液質により永眠された.乳腺間質肉腫は稀な疾患であり,手術術式,術後・再発時の化学療法を含む治療が確立されていない疾患である.今回,初回手術でリンパ節転移・遠隔転移は認められず,術後経過観察とした症例であり,術式,術後治療等の文献的な考察を加え報告する.</p>

収録刊行物

  • 山口医学

    山口医学 67 (1), 43-48, 2018-02-09

    山口大学医学会

参考文献 (16)*注記

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