出血性後天性凝固異常症

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タイトル別名
  • Acquired coagulation disorders
  • シュッケツセイ コウテンセイ ギョウコ イジョウショウ

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抄録

<p>出血性後天性凝固異常症は重篤な出血症状を呈する症例が多く,近年,学会でも報告例が多く見かけられることなどから,注目度が高まっていると考えられる。実臨床においては迅速かつ正確な診断が重要であり,活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)やプロトロンビン時間(PT)の延長する疾患では交差混合試験(クロスミキシング試験),特にAPTTクロスミキシング試験が重要であるが,lupus anticoagulant(LA)とそれに関連するlupus anti-coagulant-hypoprothrombinemia syndrome(LAHPS)などの疾患は血液凝固第VIII因子(FVIII)活性の低下を伴うケースもあり,後天性血友病Aとの鑑別が難しいケースもある。一方,PTやAPTTの延長を伴わない自己免疫性出血病FXIIIやacquired von Willebrand syndrome(AvWS)はスクリーニング検査では異常を呈さないため,気づかれにくい。ここでは日常臨床で遭遇する可能性が比較的高いと考えられる5つの出血性後天性凝固異常症についての鑑別法について述べる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (7), 779-784, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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