がん診断における乳がんセンチネルリンパ節内の磁気ナノ粒子の検出

書誌事項

タイトル別名
  • Magnetic nanoparticle detection in lymph nodes of breast cancer patients for cancer diagnosis

説明

<p>乳がんにおいて,磁気ナノ粒子と磁気プローブを用いた磁気法によるセンチネルリンパ節(がんが最初に転移するリンパ節)の同定は,従来の放射線を用いた手法よりも低侵襲であり,近年注目されている.本研究は,がん転移の可能性が最も高いとされる,磁気ナノ粒子を最も多く含んだリンパ節を術中に高感度で検出するために,開発した磁気ナノ粒子検出装置の交流磁場の周波数を最適化した.また,臨床試験における磁気ナノ粒子の検出結果について報告する.直流磁場の存在のもと,交流磁場の第二高調波を検出することで,磁気ナノ粒子の非線形特性のみを高感度で検出可能である.周波数増加に伴うノイズ信号の増加ならびに磁気ナノ粒子のヒステリシス損失を考慮した結果,5 kHz以下の交流磁場を用いることで,磁気ナノ粒子を効率よく検出できることが明らかとなった.また,昭和大学,日本医科大学で実施された臨床試験(27名の乳がん患者)おいて,開発した機器を用いて手術中に磁気ナノ粒子を定量化することに成功し,乳がんセンチネルリンパ節に40 μg(鉄として)の磁気ナノ粒子が蓄積されていることを明らかとした.本成果は,今後のがん転移診断において,最適な磁気ナノ粒子の投与量を決定する重要な結果であり,がん患者の生活の質(Quality of life)を向上させることが可能となると考える.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual58 (Abstract), 284-284, 2020

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300180902784
  • NII論文ID
    130007884938
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual58.284
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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