咀嚼力向上を目指した食育支援プログラムの陸上競技における運動能力向上の効果:ランダム化比較試験による検討

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タイトル別名
  • Effects of a Dietary Education Support Program Aimed at Improving Masticatory Ability and Physical Fitness of Athletes: A Randomized Controlled Trial
  • ソシャクリョク コウジョウ オ メザシタ ショクイク シエン プログラム ノ リクジョウ キョウギ ニ オケル ウンドウ ノウリョク コウジョウ ノ コウカ : ランダムカ ヒカク シケン ニ ヨル ケントウ

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抄録

<p> 本研究は,咀嚼力向上を目的とした食育支援プログラムの陸上競技における運動能力の向上に対する有効性を検討した.同意が得られた公立高等学校普通科に在籍する高校生を対象とし,食育支援プログラム実施群と非実施群に無作為に割り振った.実施群には液体蒟蒻を応用した嚙み応えのある豆乳・おからドーナツ(けっこうかみごたえあるドーナツ®,株式会社白帆タンパク製)を1日1個30日間よく嚙むことを意識して食べることとした.両群とも食育支援プログラム開始前と終了時に咀嚼力,100 m走の疾走タイムを測定した.咀嚼力はチューインガムを用いて溶出糖量を測定し,デンタルプレスケール® 50HタイプRを用いて咬合力表示面積,平均圧,最大圧,咬合力を測定した.100 m走の疾走タイムは,公益財団法人日本陸上競技連盟の競技ルールブックに従って,手動計時方式にて測定し,食育支援プログラム実施前後の変化を検討した.その結果,実施群61名(男子48名,女子13名)の男子の100 m走の疾走タイムは,13.3± 1.2秒から13.2±1.1秒と有意に時間短縮し,咀嚼力は,溶出糖量,咬合力表示面積と咬合力が有意に向上した.女子は食育支援プログラム前後で,溶出糖量,咬合力表示面積,平均圧,最大圧と咬合力が有意に向上した.非実施群60名(男子47名,女子13名)は,いずれも有意な変化は認められなかった.したがって,本研究で実施した食育支援プログラムは,咀嚼力の向上および陸上競技における運動能力の向上に有効である可能性が示唆された.</p>

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