モキシフロキサシン塩酸塩による蕁麻疹型薬疹の1例

  • 野村 祐輝
    関西医科大学皮膚科
  • 上津 直子
    関西医科大学皮膚科 上津クリニック 関西医科大学附属病院アレルギーセンター
  • 岸本 泉
    関西医科大学皮膚科 関西医科大学附属病院アレルギーセンター
  • 神戸 直智
    関西医科大学皮膚科 関西医科大学附属病院アレルギーセンター
  • 岡本 祐之
    関西医科大学皮膚科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Urticarial-type Drug Eruption Caused by Moxifloxacin
  • 症例 モキシフロキサシン塩酸塩による蕁麻疹型薬疹の1例
  • ショウレイ モキシフロキサシン エンサンエン ニ ヨル ジンマシンガタヤクシン ノ 1レイ

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抄録

<p> 62歳, 女性。副鼻腔炎に対してモキシフロキサシン塩酸塩, カルボシステイン, トロキシピドを4日間, ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩を2日間内服した後, メキタジンに切り替え2日間内服した。その1ヵ月後にモキシフロキサシン塩酸塩, カルボシステイン, メキタジンを1回内服した約2時間後に, 顔面を除く全身に膨疹が出現した。オロパタジン塩酸塩を内服し, 3時間ほどで皮疹は消失した。薬疹を考え, 当科入院のうえ, 被疑薬 (モキシフロキサシン塩酸塩, カルボシステイン, トロキシピド, メキタジン) のプリックテスト, スクラッチテストを施行した。モキシフロキサシン塩酸塩のスクラッチテストを行った部位にのみ膨疹が出現し, 陽性であった。モキシフロキサシン塩酸塩による蕁麻疹型反応は初回内服時に生じることも知られているが, 本例では1度目の内服で感作が成立し, 1ヵ月後の再内服時に即時型反応を生じたと考えられた。</p><p>(日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 425-429, 2020)</p>

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