意思決定能力を欠如した高齢患者の胃瘻造設の代理意思決定をめぐる「揺らぎ」に関する研究――家族の語りの分析を通して――

書誌事項

タイトル別名
  • “Wavering Feelings”: Surrogate Decision-Making Regarding Gastrostomy on Behalf of Elderly Patients Who Cannot Decide for Themselves
  • イシ ケッテイ ノウリョク オ ケツジョ シタ コウレイ カンジャ ノ イロウゾウセツ ノ ダイリ イシ ケッテイ オ メグル 「 ユラギ 」 ニ カンスル ケンキュウ : カゾク ノ カタリ ノ ブンセキ オ トオシテ

この論文をさがす

抄録

<p>本研究の目的は,高齢患者の胃瘻造設をめぐる代理意思決定を行った家族の語りから,代理意思決定における「揺らぎ」が,患者の生活とどのように関連しながら生成,継続,変動しているかを分析し,代理意思決定における「揺らぎ」の内実を考察することである.3名の家族へインタビュー調査を行った結果,「揺らぎ」の特徴として,「揺らぎを増減させる影響因がある」,「揺らぎの増減は,現在に至るまで『患者と培ってきた関係性』を背景に,『揺らぎの影響因』と複雑に関連しながら変動している」という二つの点が示された.また,家族全員に共通し,「患者の利益」を検討して揺らぎ続けていたという点から,家族の「揺らぎ」を減少させることではなく,家族の精神的負担へ配慮しつつ,「患者と向き合いながら,その家族らしく揺らぎ続けていける」ことに重点を置くことが,代理意思決定支援に必要とされる視点であるという示唆を得ることができた.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 61 (4), 42-56, 2021-02-28

    一般社団法人 日本社会福祉学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ