心室細動を繰り返す薬剤抵抗性のBrugada症候群に対し心外膜アブレーションが奏功した1例

DOI
  • 藤井 亜弥
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 因田 恭也
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 中込 敏文
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 古井 宏一
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 陸 脩郎
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 間宮 慶太
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 岡本 均弥
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 須賀 一将
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 柳澤 哲
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 柴田 玲
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 室原 豊明
    名古屋大学大学院医学研究科 循環器内科学
  • 竹内 亮輔
    静岡市立静岡病院 循環器内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Drug-Resistant Ventricular Fibrillation in Brugada Syndrome Successfully Treated With Epicardial Substrate Ablation

この論文をさがす

抄録

<p> 症例は68歳,男性.200X年7月心室細動を発症,前医にてBrugada症候群と診断され,植込み型除細動器(ICD)を装着し,キニジンを内服していた.13年後の201X年11月に心室細動に対しICD作動があり,シロスタゾール内服を開始した.12月にも心室細動が出現したため,イソプロテレノール点滴を開始したが,その後も心室細動を繰り返し認めたため,ベプリジルも開始,イソプロテレノール増量,シロスタゾール増量,デノパミンを開始するも,VF stormとなり,アブレーション目的に当院紹介となった.心外膜アプローチにてマッピングを行ったところ,心外膜側右室流出路に異常電位部位を認めた.カテーテル刺激で容易に心室細動が誘発されてしまうため,通電前にピルジカイニド負荷を行わなかった.心外膜側右室流出路心筋への高周波通電後にSTの改善を認め,遅延電位の消失もしたが,容易に心室細動誘発が可能であった.そのため,通電前に投与できなかったピルジカイニドを負荷し,残存する異常遅延電位領域を同定した.同部位に追加通電し,その後心室細動誘発はできなくなった.薬剤抵抗性のBrugada症候群に対し,ピルジカイニド負荷により残存する不整脈基質を同定し,致死的不整脈を治療しえた症例を経験したためこれを報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 52 (8), 917-923, 2020-08-15

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ