根菜類における調理方法の違いがポリフェノールおよびミネラル残存量に与える影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of cooking on polyphenol and mineral content of root vegetables
抄録
<p>【目的】野菜に多く含まれているポリフェノールやミネラルは,調理によりその量が変化することが報告されている。ヒトに対する機能性を期待するならば,調理後の食品に残存する量を明らかにする必要がある。本研究では,煮物を想定した調理後の根菜中のポリフェノールおよびミネラル残存量を検討した。</p><p>【方法】試料は青首だいこん,水洗いごぼうを用いた。だいこんは厚さ2cmの半月切りにし,「本ゆでのみ(30分間)」,「水」または「こめのとぎ汁」で下ゆで(10分間)後,水ゆで(20分間)を設定した。ごぼうは「乱切り」または「斜め切り」にし,「水」または「酢水」で浸漬後,15分間水ゆでした。ポリフェノールはFolin-Denis法でクロロゲン酸当量として,Na,K,Ca,Mg量は原子吸光光度法,P量はモリブデンブルー吸光光度法で測定した。残存率は「切裁のみ」の量を100%として算出した。さらにUPLCを用いて調理後の試料に含まれる主要なポリフェノールを測定した。</p><p>【結果】だいこんおよびごぼうに残存するポリフェノール量には,調理方法による有意差はなかった。また,ごぼう中には5-カフェオイルキナ酸以外にもカフェオイルキナ酸類縁体と推定されるピークが確認された。調理後のだいこんには,Caが85〜89%残存し,調理方法による有意差は認められず,NaとKの残存率は45〜54%,47〜57%であり,「本ゆでのみ」が最も高かった。MgとPの残存率は56〜70%,53〜70%であり,「こめのとぎ汁」が最も高かった。調理後のごぼうには, Naが57〜68%,Caが92〜97%,Pが67〜70%残存し,調理方法による有意差はなかった。KとMgの残存率は56〜65%,78〜84%であり,浸漬方法に関わらず「斜め切り」で高かった。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 32 (0), 11-, 2021
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390289302761070080
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- NII論文ID
- 130008085521
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可