炊飯における浸漬温度が米粒表面部でんぷんの物理化学的性質に及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Influence of soaking temperatures on the physicochemical properties of the surface starch of the milled rice grains
説明
<p>【目的】米の吸水率は浸漬温度が上昇するとともに増加する吸水曲線が一般的である。しかし、筆者らは米を短時間浸漬させた場合では温水浸漬が低温浸漬よりも米の吸水率は高くなるが、長時間浸漬させると、低温浸漬が温水浸漬よりも吸水率が高くなることを明らかとした。また、この現象が米粉には見られず米粒に特有であったことから、浸漬温度の異なる米粒は表面部のでんぷんの状態に差異があることが推察される。そこで、浸漬温度の異なる米の吸水メカニズムを明らかにするため、米の吸水率に影響を与えると推察される米粒表面部のでんぷんの変化について検討することとした。</p><p>【方法】5°C、40°Cの水で0分(洗米後)、20分、90分、4時間浸漬させた試料米(兵庫県産ヒノヒカリ)から、米粒表面部試料、表面部以外(中心部)試料を調製した。測定はX線回折(XRD)、BAP法、フーリエ変換型赤外分光光度計(FT-IR)、示差走査熱量分析計(DSC)を用いて行った。</p><p>【結果】米粒中心部のでんぷんの結晶性に大きな変化はみられなかったが,40°C浸漬の米粒表面部のXRD回折強度がわずかに高くなっていた。BAP法ではそれぞれの試料間に差はみられなかった。FT-IR の結果、40°C浸漬米の表面部試料では5°C浸漬米のそれより会合型のOH基が増えたことを示した。DSC測定では、40°C浸漬米の表面部の糊化ピーク温度は生米より低温に移行していたが、糊化開始温度は高い傾向がみられた。また、40°C浸漬米のDSC曲線は生米と5°C浸漬米より吸熱ピークが鋭くなっており、40°C浸漬米のDSC曲線は生米と5°C浸漬米の表面部のそれとは異なっていることが明らかとなった。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 32 (0), 15-, 2021
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390289302761080576
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- NII論文ID
- 130008085597
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可