髄膜に発生した孤立性線維性腫瘍の 1 例

  • 中西 さおり
    公益財団法人甲南会甲南医療センター中央検査部
  • 黒田 直人
    公益財団法人甲南会甲南医療センター病理診断科
  • 鷹井 敏子
    公益財団法人甲南会甲南医療センター中央検査部
  • 小嶋 真理
    公益財団法人甲南会甲南医療センター中央検査部
  • 大野木 美聡
    公益財団法人甲南会甲南医療センター中央検査部

書誌事項

タイトル別名
  • A case of solitary fibrous tumor arising in the meninge

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説明

<p>背景 : 中枢神経系に発生する孤立性線維性腫瘍 (SFT) はまれな間葉系腫瘍である. 今回われわれは前頭部に発生した SFT の 1 例を経験したので報告する.</p><p>症例 : 45 歳, 女性, 進行性のうつ症状で治療するも増悪がみられ当院に紹介となった. 画像にて前頭部に 75 mm 大の不整形腫瘤を認めたため, 髄膜腫を疑い開頭腫瘍摘出術を施行, 術中迅速病理組織が提出された. 病理組織標本の腫瘍細胞は N/C 比の高い紡錘形細胞がシート状に増殖しており, 太い膠原線維が介在していた. 迅速捺印細胞診では N/C 比の高い裸核状の短紡錘形細胞が不規則に交錯し, ところどころに太い膠原線維を認めた. 髄膜腫に典型的な渦巻き状構造の出現はなく, 異型髄膜腫の像としても典型的ではなかった. その後, 永久標本の免疫組織化学染色で CD34, STAT6 に陽性を示し, SFT の確定診断となった.</p><p>結論 : 髄膜腫瘍で, 裸核状の短紡錘形細胞の増殖がみられ, 髄膜腫を示唆する所見がない場合には SFT を念頭において細胞診断を心掛けるべきである.</p>

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参考文献 (9)*注記

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