下水汚泥溶融スラグからのリン回収時における金属の挙動に関する考察

  • 中尾 賢志
    大阪市立環境科学研究センター 調査研究グループ 博士(工学)(大阪市立大学) 技術士(上下水道部門)

書誌事項

タイトル別名
  • The behaviour of metals during phosphorus recovery from sewage sludge molten slag
  • ゲスイ オデイ ヨウユウ スラグ カラ ノ リン カイシュウジ ニ オケル キンゾク ノ キョドウ ニ カンスル コウサツ

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抄録

<p> 下水汚泥溶融炉から排出される溶融スラグと溶融飛灰を5%硫酸酸性下で恒温振盪機60℃,130rpmの条件でリンを溶出した。その溶出液を水酸化ナトリウムでpH2~12に調整し,沈殿物を生成させた。上澄み液の分析により,沈殿物へのリンと金属の回収率を計算した。その結果,スラグ溶出液からのリン回収率が最も高いのはpH7と8,溶融飛灰溶出液からのリン回収率が最も高いのはpH8であった。リンと挙動をともにする金属の動態を確認するため,溶出液のpHを変化させることにより溶出液のリンと金属類の反応をシミュレーションし,pHとORPの変化によって沈殿物中のリン酸化合物の組成の変化を推定した。それによると,スラグではpH5~12,溶融飛灰ではpH4~12で主たる沈殿物はリン酸アルミニウムだと推測された。</p>

収録刊行物

  • 下水道協会誌

    下水道協会誌 58 (709), 100-105, 2021-11-01

    公益社団法人 日本下水道協会

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