クワインの「全体論」とローティの「真理」に関する考察から導き出される「障害」の多義性――「事実」をもとにした障害定義から「障害定義の戦略的・実践的使用」へ――

  • 牧田 俊樹
    北星学園大学社会福祉学研究科(博士後期課程)

書誌事項

タイトル別名
  • The Polysemy of “Disability (Impairment)” Derived from Quine’s “Holistic Theory” and Rorty’s Thoughts on “Truth”: From “Real-Based” Definitions of Disability to “Strategic and Practical Use of Disability Definitions”
  • クワインの「全体論」とローティの「真理」に関する考察から導き出される「障害」の多義性 : 「事実」をもとにした障害定義から「障害定義の戦略的・実践的使用」ヘ
  • クワイン ノ 「 ゼンタイロン 」 ト ローティ ノ 「 シンリ 」 ニ カンスル コウサツ カラ ミチビキ ダサレル 「 ショウガイ 」 ノ タギセイ : 「 ジジツ 」 オ モト ニ シタ ショウガイ テイギ カラ 「 ショウガイ テイギ ノ センリャクテキ ・ ジッセンテキ シヨウ 」 ヘ

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抄録

<p>障害とは何かという問いがある.多くの障害領域の研究者がこの問いに関わってきた.そして対立も生じている.そのなかにポスト構造主義者と相互作用論者の対立がある.本稿は,クワイン(Quine)の「全体論」,ローティ(Rorty)の「真理」に関する考察を通し,そのような対立が「真理」の観点からなされるならば意味がないことを明らかにし,また,対立が生じる要因は何かを探ることを目的とする.結果として,障害とは何かという問いに一義的に答えることはできないことが示され,障害とは何かという問いが「真理」の観点から出されるならば,その問いをめぐる対立は意味がないことが明らかとなり,また,対立が生じる要因の一つは「真理」への固執であることが示唆された.そして,この結果をもとに,さまざまな障害定義の戦略的・実践的使用という新たな道を提示するに至った.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 62 (2), 29-42, 2021-08-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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