消化管での吸収を目的とした経口投与型シアノコバラミン内封ナノ粒子の開発

  • 杉山 育美
    岩手医科大学薬学部,医療薬科学講座創剤学分野 岩手医科大学大学院,薬学研究科医療薬学専攻
  • 杣悠 華子
    岩手医科大学大学院,薬学研究科医療薬学専攻
  • 佐塚 泰之
    岩手医科大学薬学部,医療薬科学講座創剤学分野 岩手医科大学大学院,薬学研究科医療薬学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of oral cyanocobalamin-loaded nanoparticles for intestinal absorption

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抄録

胃内因子(IF)なしでも経口投与にてビタミンB12(VB12)を吸収できることを目的に,VB12を内封したナノ粒子製剤について検討した.胃の摘出などによりIFを分泌できない患者は巨赤芽球性貧血のリスクが増大するため,断続的にVB12の侵襲的な投与が必要であり患者の負担が大きい.そこで簡便で非侵襲的な方法として経口投与型のナノ粒子が有用であると考えた.ナノ粒子としてリポソームを選択し,リポソーム構成脂質や表面修飾物質がもたらす消化管吸収への影響を評価した.VB12であるシアノコバラミンを内封したリポソームをマウスに経口投与した結果,水溶液投与群に比較して高い血中濃度が認められた.本検討では正常マウスで実施していることより,IFが存在し水溶液投与でもVB12の吸収が可能である.このような環境においてもリポソーム化したほうが血中への移行性が優れていたことより本製剤の有用性が期待された.

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