過敏性腸症候群における脳腸相関と腸内細菌叢

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タイトル別名
  • Brain-Gut Interaction and Gut Microbiota in Irritable Bowel Syndrome
  • カビンセイ チョウ ショウコウグン ニ オケル ノウ チョウ ソウカン ト チョウ ナイ サイキンソウ

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抄録

<p>近年,腸内細菌がさまざまな疾患に大きな影響を及ぼしていることが解明されてきている.過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)においても,腸内細菌が大きく関与していることが明らかになってきた.腸内細菌の変化は,腸管における粘膜透過性亢進や微小炎症の原因となり,信号は脊髄の感覚神経を介して中枢神経に伝達され,さらに脳内プロセッシング異常により,IBS症状をきたすと考えられている.IBSの病態の理解には,脳腸相関に腸内細菌叢の病態を合わせた,brain-gut-microbiotaの概念が重要である.</p><p>IBSの腸内細菌叢の治療として,プロバイオティクス,抗菌薬,糞便移植などによる治療も導入されつつあるが,本邦では,抗菌薬,糞便移植は保険適応外であり,今後のさらなる検討が期待されている.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 62 (1), 45-49, 2022

    一般社団法人 日本心身医学会

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