<研究ノート>大学生における政治家の知名度 : 情報飽和時代の偏重の影響

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タイトル別名
  • <Research Note>Name Recognition of Politicians Among College Students : The Influence of Information Saturation and Bias
  • 大学生における政治家の知名度 : 情報飽和時代の偏重の影響
  • ダイガクセイ ニ オケル セイジカ ノ チメイド : ジョウホウ ホウワ ジダイ ノ ヘンチョウ ノ エイキョウ

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抄録

本研究は、情報飽和とメディアの娯楽化の影響を検証するために、大学生における政治家の知名度を調査したものであり、テレビ番組の構成比率の分析とアンケート調査を行った。まず、関東地方の民放テレビ局が放送した番組内容を分析した結果、最も視聴率が高い18時から24時の時間帯で娯楽性の高い番組の占める割合(時間比)が、平日で70.33%、週末で86.17%であることが明らかになった。さらに、民放テレビ局で放送された17時台のニュース番組を7本抽出し、放送内容を分析した。その結果、政治に関するニュースは放送時間全体の5.33%にすぎないことがわかった。以上の結果から、テレビが政治情報の提供という役割を十分に果たしていないことが示唆できる。次に、政治家の知名度を検証するために、大学生を対象とした調査を行った。自由回答の結果、現役政治家に関する平均得点は4.79であった。これは、同回答者の芸能人名の回答得点の3割以下の点数であった。本研究の結果、情報が飽和し、メディア内容の娯楽化が進んでいる現代では、情報の受け手が関心のあるもののみを受容し、本来、より重要な情報の受信がおろそかになっていることが示唆できる。

収録刊行物

  • 国際日本研究

    国際日本研究 7 121-128, 2015-03-02

    筑波大学人文社会科学研究科国際日本研究専攻

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