日本語での文字/音声提示による課題文が判断に及ぼす影響 : 情緒性/向性課題の回答と反応時間の比較から

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  • A Study of the Impact of Audio or Visual Media on Decisions in Japanese : Comparing Response and Reaction Times in Tasks between Emotionality and Introversion-Extroversion
  • ニホンゴ デノ モジ オンセイ テイジ ニヨル カダイブン ガ ハンダン ニ オヨボス エイキョウ ジョウチョセイ コウセイ カダイ ノ カイトウ ト ハンノウ ジカン ノ ヒカク カラ

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抄録

一般的な心理検査の課題文を用い,文字/音声提示による判断への影響についての検証をおこなった. 実験課題は 120 問あり, 精神面(情緒性)と行動面(向性)に関する各 60 問から構成されている. 大学生 18名の被験者に各課題に対し, 「はい」「?」「いいえ」の3件法で回答してもらったところ, 被験者全体の回答反応において「はい」では音声提示の方が, 「いいえ」では文字提示の方が有意に多く見られた. 情緒性/向性課題の因子別においても全体と同じ傾向が見られたが, 情緒性課題の方が向性課題よりも差は大きかった. 次に, 「はい」/「いいえ」の回答反応時間を文字/音声提示別で比較した. その結果, 文字, 音声提示共に「いいえ」の方が「はい」よりも1%水準で有意に時間が長かった. 被験者毎の分析では, 文字提示の情緒性課題文に対し4名に1%水準で有意差が見られ, 内3名は全体の傾向とは逆に「はい」の方に「いいえ」よりも有意に時間を要した. 音声提示では1名のみに有意差がみられ, 「いいえ」の方が長かった. 散布図から, 被験者によって回答と反応時間に異なる相関がみられ, 判断に及ぼすメディアや課題内容の影響は, 被験者により異なることが考えられた. このため, e ラーニングの指導やディジタル教材作成などにおいて配慮の必要なことが確認された.

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