マックス・ウェーバーと同時代のエートス(1) : 「自由の魔力」からの出発

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書誌事項

タイトル別名
  • Max Weber and Contemporary Ethos (1) : A Start from "the Magic of Freedom"
  • マックス ウェーバー ト ドウジダイ ノ エートス 1 ジユウ ノ マリョク カラ ノ シュッパツ

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説明

本稿の目的は、マックス・ウェーバーと同時代のエートスの関係を明らかにすることである。東エルベ農業労働調査によって「自由の魔力」という心理的な力を見出した彼は、その力を国民国家へと結びつけ、新たな政治原理を構想した。ウェーバーは世俗内禁欲という過去の宗教的工ートスだけでなく、同時代におけるエートスをも考慮していたのである。そのため数々の社会調査を行なうことが、ウェーバーには必要だった。そもそも、ウェーバーのパースペクティヴは福祉国家体制への根本的な転換を前提としている。国家や市場とは異なったいわゆる社会的なものの拡大と自律化が大きな意味を持つようになったのである。ただ、ウェーバーの思惑とは裏腹に、それは大きな問題を生み出すことになった。つまり、社会的なものの流動性が硬直性へと反転することで、社会的な排除がいっそう明らかになったのである。このジレンマは、後年のウェーバーにも残っていく。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 22 73-89, 2001

    大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室

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