覆土資材と覆土厚の違いがオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)およびエゾノギシギシ(Rumex obtusifolis L.)の初期発芽率に及ぼす影響

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Efforts of Covering Seed-bed with Some Materials on Early Germination Rate of Orchardgrass (Dactylis glomerata L.) and Broadleaf Dock (Rumex obtusifolis L.).
  • フクド シザイ ト フクドコウ ノ チガイ ガ オーチャードグラス Dactylis glomerata L オヨビ エゾノギシギシ Rumex obtusifolis L ノ ショキ ハツガリツ ニ オヨボス エイキョウ

この論文をさがす

抄録

オーチャードグラスの追播に伴って生じる強害雑草エゾノギシギシ種子の発芽を生態的に抑制することを目的とし,異なる覆土資材と覆土の違いが両二種の発芽に及ぼす影響について,室内実験を行った.先ず実験1において,火山灰土壌, 堆肥および市販培養土の3種類の覆土資材と3段階の覆土厚(0, 0.5, 1.0cm)との組合せが,オーチャードグラスとエゾノギシギシの播種後21日間の発芽率へ及ぼす影響を追究した.その結果,とくに火山灰土壌による覆土厚の増加はオーチャードグラスの発芽率を減少する傾向を示すものの,エゾノギシギシに対しては0.5と1.0cmの覆土厚は0%の発芽率を示すなど大きな抑制効果を有することが認められた.また堆肥による厚さ1.0cmの覆土はオーチャードグラスの発芽促進に有効であることが示唆された.実験2では,実験1においてエゾノギシギシの発芽抑制機能が認められた火山灰土壌とオーチャードグラスの発芽促進機能が認められた堆肥とを混合して用い,両草種の播種後21日間の発芽率へ及ぼす影響を追究した.実験処理は火山灰土壌の覆土厚(0, 0.5, 1.0cm)と堆肥の覆土厚(0.5,1.0,1.5cm)との組合せである.その結果,混合資材による覆土厚が増大するに伴い,オーチャードグラスの発芽率は低下するものの通常の5割に相当する発芽率が認められたのに対し,光発芽性であるエゾノギシギシの発芽率は著しく抑制されることが明かとなった.本研究の結果,オーチャードグラスを追播する際,火山灰土壌と堆肥を混合して覆土に用いることは,エゾノギシギシ種子の発芽を抑制することから,雑草対策を視野に入れた追播技術の向上に対して有効であろうと示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ