<論説>民主党成立の序幕 : 進歩党少壮派の党内「革新」運動

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タイトル別名
  • <Articles>The Prelude to the Formation of the Democratic Party (民主党)
  • 民主党成立の序幕--進歩党少壮派の党内「革新」運動
  • ミンシュトウ セイリツ ノ ジョマク シンポトウ ショウソウハ ノ トウナイ

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抄録

小論はこれまで個別研究の対象とされてこなかった民主党について、その成立の序幕の検討を試みたものである。分析対象の中心となるのは犬養健を要とする進歩党小壮派の動向である。彼らは公職追放と総選挙という占領改革の実施を機に戦後政界に登場し、第二二回総選挙後の激動の政変の過程で政治グループを形成する。そして第九〇議会下において、保守反動政党進歩党をして修正資本主義を標榜する民主的保守党(保守中道政党) へと脱皮させるべく党内「革新」運動を展開する。とりわけ憲法改正審議においては主として社会党に働きかけて象徴天皇制の条項についての挙国的合意形成に努めるとともに生存権的基本権の法制化の充実に意を注ぎ、進歩党の党勢拡大工作では社会党(右派) との連立政権構想を模索しつつ保守中道勢力の結集を促し「日本民主党」への党名変更を高唱する。こうした運動を通して彼らは進歩党から民主党への移行を徐々に準備していく。

収録刊行物

  • 史林

    史林 71 (3), 443-481, 1988-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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