モルトマンの宇宙的キリスト論1

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タイトル別名
  • The Cosmic Christology of Moltmann
  • モルトマン ノ ウチュウテキ キリストロン 1
  • モルトマンの宇宙的キリスト論
  • モルトマン ノ ウチュウテキ キリストロン

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抄録

ユルゲン・モルトマンは、古代世界は宇宙中心的であったと述べ、エコロジーの観点から宇宙的キリスト論を提唱する。しかし現代における宇宙論は古代のそれとはかけ離れていて、宇宙は果てしもない空虚であるという印象がある。モルトマンの述べる宇宙的キリストはその宇宙に意味を与えることができるのであろうか。モルトマンは、宇宙はキリストの身体であると考える。しかしキリスト論にとって宇宙のすべての力をキリストの支配の中に組み込むのは挑戦である。モルトマンの宇宙的キリスト論は歴史的キリスト論を超えて、自然的キリスト論を展開する。モルトマンは汎内神論を採用する。そしてモルトマンはテイヤール・ド・シャルダンとカール・ラーナーの進化的キリスト論を批判する。モルトマンは宇宙的キリストによる宇宙的終末論を主張する。その際、救いは全体的である。それゆえ実存主義的な個人の精神への探求は不足している。しかし、われわれは希望によって支えられている精神の内面の宇宙において、いつでもキリストと出会うことができるのである。

収録刊行物

  • 基督教研究

    基督教研究 65 (2), 107-115, 2004-03-19

    基督教研究会

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