復帰前後沖縄の高齢者福祉政策――施設・在宅両処遇の動向を中心に――

書誌事項

タイトル別名
  • Social Welfare Policy for Elderly People in Okinawa Before and After the Return of Japanese Administration: Focusing on Trends in Residential Care and Nursing Home Care
  • フッキ ゼンゴ オキナワ ノ コウレイシャ フクシ セイサク : シセツ ・ ザイタク リョウ ショグウ ノ ドウコウ オ チュウシン ニ

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抄録

<p>本稿の目的は,復帰前後の沖縄における高齢者福祉政策の動向が復帰を境にいかに変化したかを示すことで,本土の歴史に回収できない,当時の沖縄の高齢者福祉政策の特徴を明らかにすることである.復帰前沖縄の高齢者福祉政策については先行研究が皆無に等しく,その実態は明らかにされていない.そこで本稿は,本土の動向と比較しつつ,琉球政府や社会福祉協議会の刊行物,県内の戦後新聞記事,沖縄県公文書館所蔵の福祉事務所資料などの文献資料から,当時の沖縄の高齢者福祉政策の特徴を明らかにした.その結果,琉球政府が定めた公的社会福祉制度が周縁部から都市部に伝播したこと,社会資本の偏在と財政上の問題という消極的な理由ではあるが在宅処遇が中心となっていたこと,その後復帰により日本国政府の高齢者福祉政策に沿ったことによる「在宅」から「施設」へという潮流の変化,この3点が復帰前後の沖縄の高齢者福祉政策の特徴として示された.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 62 (3), 32-44, 2021-11-30

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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