2001年のカイロ大都市圏における市民の生活様式

書誌事項

タイトル別名
  • Citizens' Lifestyle in 2001 in the Greater Cairo
  • -Utilization of overseas person trip surveys from a social research perspective-
  • ー海外パーソントリップ調査の社会調査的視点による活用ー

説明

<p>統計データの取得が難しく、また精度に不安がある海外調査の補完方法としてJICAによるパーソントリップ調査に注目して社会調査としての活用を試みる。パーソントリップ調査がもつ職業、年齢、性別等の個人属性やトリップの移動目的、そして時間情報は社会地区分析の基礎情報として活用でき、また時間地理学を踏まえたデイリーリズムの視点をもって読み解くと都市空間内での位置の諸相から海外都市の生活実態の解明に役立てることが可能である。 当該調査は11.7万人を対象にのべ57万トリップを収録したものである。お国柄もありサンプリングの大きな偏りや回答の不正確さを割引きつつ、上記の視点で分析すると2001年当時のGreater Cairo(カイロ大都市圏)の状況、すなわちその後の爆発的経済成長の前夜と位置づけられる時期の経済・社会的状況を記録する貴重な現代史史料として位置づけることができる。 いうまでもなく職業構成や交通手段は国および時期によって大きく異なる。この時期のカイロは自家用車の普及途上であり、各種のバスおよび乗合タクシーといった公共交通の機関分担率が高く、また地区ごとの経済事情によりシェアは大きく異なっていた。この点に限らずこの時期のカイロは伝統的な生活様式の色濃く残る庶民生活を残しながら、他方で「現代化」したホワイトカラーの生活様式が分極したまま混在し、また中世以来の都市域を大きく超えて拡大していく様を移動・交通データからも読み取ることができる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390291767745540736
  • DOI
    10.14866/ajg.2022s.0_214
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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