140年生スギ人工林における地上部純一次生産と窒素利用:天然更新した広葉樹が優占する不成績造林地との比較

  • 榎木 勉
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門森林環境科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Aboveground net primary production and nitrogen use of 140-year-old Cryptomeria japonica plantation: comparison with an unsuccessful plantation dominated by naturally regenerated broad-leaved species
  • 140ネンセイ スギ ジンコウリン ニ オケル チジョウブ ジュンイチジ セイサン ト チッソ リヨウ : テンネン コウシン シタ コウヨウジュ ガ ユウセンスル フセイセキ ゾウリンチ ト ノ ヒカク

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説明

高齢の人工林と広葉樹二次林の地上部純一次生産と窒素利用様式を明らかにするために,隣接する140 年生のスギ人工林と造林が不成績に終わり天然更新した広葉樹が優占する二次林が成立している林分とを比較した。スギ人工林の地上部バイオマスの成長量は正の値を示し,炭素の吸収源として機能していると考えられた。二次林はスギ人工林よりも地上部バイオマスが小さく,成長量や地上部純一次生産も小さかった。この違いには,地位の違いやスギと広葉樹の資源利用様式の違いが関係していた。一方,調査結果は,台風や冠雪などの撹乱の影響が大きかったことを示唆しており,撹乱の頻度が高い地域における森林の長期管理には,撹乱の予測とリスク管理が重要であることが考えられた。

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