薬剤師から見た脳脊髄液減少症の感覚・免疫過敏症―4つの中核症状に関する221例の検討―

DOI
  • 中里 直美
    国際医療福祉大学熱海病院薬剤部
  • 北條 祥子
    東北大学大学院歯学研究科 尚絅学院大学
  • 菅野 洋
    国際医療福祉大学熱海病院脳神経外科 横浜市立大学大学院医学研究科
  • 鈴木 高弘
    東北大学大学院薬学研究科
  • 平井 利明
    帝京大学医学部附属溝口病院脳神経内科・脳卒中センター
  • 横田 俊平
    東京福祉大学社会福祉学部
  • 黒岩 義之
    帝京大学医学部附属溝口病院脳神経内科・脳卒中センター 財務省診療所

書誌事項

タイトル別名
  • Pharmacists’ view of sensory and immune hypersensitivity in cerebrospinal fluid hypovolemia: a review of four core symptoms in 221 cases

説明

<p>脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症)は交通事故やスポーツ外傷のような外傷性の発症イベントに引きつづき,多彩な全身的体調不良がみられる後天的な慢性疾患であるが,発症イベント要因が不明なこともある.本症は脊髄神経根部での脳脊髄液の漏出(吸収過多)で起こるといわれているが,その病態に関しては不明な点が多い.4つの中核症状(自律神経症状,情動・認知症状,疼痛・感覚過敏症状,免疫過敏症状)が個々の患者で重層的に起こる.本症には性差があり,女性の方が男性よりも各症状の出現頻度や重症度が高い.本症は環境ストレスに対して生体が過敏症(ストレス感覚入力系の過敏状態)や不耐症(ストレス反応出力系の不全状態)を呈する.本症と筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群,子宮頚癌ワクチン副反応,COVID-19慢性後遺症との類似性が注目され,それらの病像は視床下部性ストレス不耐・疲労症候群(脳室周囲器官制御破綻症候群)といえる.</p>

収録刊行物

  • 自律神経

    自律神経 59 (1), 132-143, 2022

    日本自律神経学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390291932663961472
  • DOI
    10.32272/ans.59.1_132
  • ISSN
    24347035
    02889250
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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