難波と飛鳥、ふたつの都は土器からどう見えるか

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タイトル別名
  • Comparative Study of Two Ancient Capitals, Naniwa and Asuka Based on the Investigation of Pottery

抄録

本論では、難波地域と飛鳥地域における土器の編年研究について現時点の成果を紹介した後、それぞれの土器の並行関係を詳細に検討し、暦年代を推定した。その結果、各々の段階ではどちらの地域の土器が質・量の面で優っているか、それがどのように推移するのかを明らかにすることができた。難波地域では7世紀第3四半期に良好な多くの資料が得られており、人々の活動が盛んで、宮域より外側へも開発が進んでいる。一方、同時期の飛鳥地域は良好な資料が少なく、7世紀第2四半期とは異なって低調に見える。反対に、7世紀第4四半期には難波地域では宮域周辺の土器が激減し、飛鳥地域では急激に土器が増えていく。こうした両地域の土器に見える流れによって、人々の動きが最も活発なところ—すなわち政治の中心—の変動が示されるとすれば、『日本書紀』が記す内容とは異なる歴史的事実の存在を認識する大きな手がかりとなる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292085417485312
  • DOI
    10.34570/omhbull.15.0_1
  • ISSN
    24358622
    13478443
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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