国保レセプトと住民基本健康診断データを用いた「脳卒中」と「虚血性心疾患」のリスクスコア計算法の的中度の比較

  • 井澤 弘美
    青森県立保健大学健康科学部人間総合科学科目
  • 駒田 亜衣
    青森県立保健大学大学院健康科学研究科
  • 山田 真司
    青森県立保健大学健康科学部人間総合科学科目
  • 大山 博史
    青森県立保健大学健康科学部社会福祉学科
  • 福田 誠
    青森県健康福祉部高齢福祉保険課
  • 嵯峨井 勝
    青森県立保健大学健康科学部人間総合科学科目 青森県立保健大学大学院健康科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Predictive Value Analysis of Risk Score Calculation of Stroke and Coronary Heart Disease from Annual Health Checkup Data
  • コクホ レセプト ト ジュウミン キホン ケンコウ シンダン データ オ モチイタ ノウソッチュウ ト キョケツセイ シンシッカン ノ リスクスコア ケイサンホウ ノ テキチュウド ノ ヒカク

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抄録

<p>目的:脳卒中と虚血性心疾患の発症リスクスコアの計算法として,既に提案されている予測方法の中で,どの方式が最も的中度が高いかを受動者動作特性(Receiver Operating Characteristic, ROC) 分析により比較,検討することである. 研究方法:青森県内の5つの自治体の協力を得て,国保レセプトから,実際に脳卒中あるいは虚血性心疾患の発症者 (症例群) を抽出し,その人たちの5年前の基本健診データから,既存の予測方式でリスクスコア (%) を計算した. さらに,これまでに両疾患のいずれをも発症していない住民 (対照群) の5年前の基本健診データから,同様にリスクスコアを計算した. 脳卒中では3種の予測方式で,虚血性心疾患では6種の方式で計算した. これら症例群と対照群のリスクスコアと各疾患の発症の有無から,ROC分析を行い各予測方式の的中度を比較した.結果:性と年齢を調整した結果,有効数が確保された40~69歳までのデータから,脳卒中の症例群93名,対照群279名からのROC曲線下面積 (AUC) は,茨城県脳卒中危険度予測ツールで計算した場合が0.849で最も1に近く,統計的有意差 (p< 0.001) も認められ,その他は0.584以下であった. 虚血性心疾患の症例群134名,対照群402名からのAUCも,茨城県脳卒中危険度予測ツールで計算した場合が0.859で最も1に近く,統計的有意差 (p< 0.001) も認められ,その他のAUCは0.565以下であった. 結論:住民基本健診データから,脳卒中あるいは虚血性心疾患を発症する可能性を示すリスクスコアを計算するには,現在提案されている予測方式の中では,茨城県が開発した脳卒中危険度予測ツールが最も的中度が高いことが示された.</p>

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