『サバルタンは語ることができるか』を共に読み共に書く : 共生学の3 つのアスペクトを中心に

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書誌事項

タイトル別名
  • Co-reading and Co-writing "Can the Subaltern Speak?" : Focusing on the three aspects of Kyosei studies
  • サバルタン ハ カタルコト ガ デキルカ ヲ トモニ ヨミ トモニ カク キョウセイガク ノ 3ツ ノ アスペクト ヲ チュウシン ニ

抄録

研究ノート

本稿は共生・共創を考えるうえで重要なテクストである『サバルタンは語ることができるか』(スピヴァク 1998 =Spivak 1988)(以下『サバルタン』)の共読を通して、スピヴァクによる表象(代表/表現)の問題意識を共生学の3 つのアスペクト(フィロソフィー、アート、サイエンス)から多角的に捉えなおすことを目的とする。第1章では、『サバルタン』の共読の舞台となった読書会がはじまった経緯を述べ、正しく内容を読み取ることを志向しながらも「読みの差異」が生まれたことに着目する。第2章では、共生のフィロソフィーの視点から『サバルタン』におけるスピヴァクの立ち位置を確認する。その際にスピヴァクによる自己言及に着目し、サバルタン連続体の見方を導入することの重要性を述べる。第3章では、共生のアートの視点からテクスト経験をオートエスノグラフィとして表現することを通して、自らのサバルタン性を語り直す。第4章では、共生のサイエンスの視点から調査研究を行う際のサバルタン性との関わりを反省的に描き出す。最後にこれらの「読みの差異」を、ポジショナリティの差異として環状島モデルに布置し整理することで、「サバルタン」と、語る主体としての私との関係性を考察する。

収録刊行物

  • 未来共創

    未来共創 9 243-275, 2022-03-31

    大阪大学人間科学研究科附属未来共創センター

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292859790445824
  • DOI
    10.18910/88556
  • ISSN
    24358010
  • HANDLE
    11094/88556
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • KAKEN

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