真空フライヤーで調製したフライドオニオンの特性評価

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  • Preparation and evaluation of fried onion by vacuum fryer

抄録

<p>【目的】西洋料理で欠かせない炒め玉ねぎは,調製に時間がかかり,炒める過程で発がん物質アクリルアミド(AAm)を生じる可能性がある.一方,玉ねぎのケルセチンにはがん予防などの生理効果がある.真空下で玉ねぎを低温フライしてフライドオニオン(FO)を調製し,常圧下で鍋を用いて揚げたFOと特性を比較した.さらに,真空FOのハンバーグへの応用を,炒め玉ねぎと比較する形で,官能評価により検討した.</p><p>【方法】研究開発用小型真空フライヤー((株)アトラステクノサービス)を用いた.物性は卓上型物性測定器(TPU-2DL,(株)山電)で測定した.玉ねぎの凍結乾燥試料を 80%エタノール抽出し,362 nm の吸光度からケルセチン当量を求めた.AAm の定量は依頼分析した.</p><p>【結果・考察】常圧 FO と真空 FO ともに玉ねぎの辛味低減と食感向上のため,電子レンジ加熱と冷凍の前処理を必要とした.常圧では 125℃で泡が小さくなるまで,真空では 80℃,30 分または 90℃,20 分の揚げ条件が最適であった.真空 FO(90℃,20 分)の AAm は定量下限(0.02 ppm)未満であった.真空 FO(同)のケルセチンは生玉ねぎの約 7 倍に濃縮された.両試料の荷重-歪率曲線の形の大きな差異と,最大荷重の差(常圧 FO >真空 FO),ならびに各代表曲線の微分波形は,常圧 FO の中心部分が比較的硬く,破断しにくいのに対し,真空 FO は表面から壊れ易く,中心部までサクサクした食感であることを示していた.真空 FO と炒め玉ねぎ(各々生玉ねぎ 50 g 相当量)を添加した2種類のハンバーグの官能評価(n=17)では,ともに硬さやジューシーさ,総合評価などにおいて同水準に評価された.AAmが低減化された真空 FO による炒め玉ねぎ代用の可能性を示した.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390293279512268800
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_124
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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