阿波晩茶乳酸菌<i>Lactobacillus pentosus</i>を用いたライ麦パン(サワーパン)の試作

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タイトル別名
  • Production of sourdough bread with lactic acid bacteria, <i>Lactobacillus pentosus </i>isolated from Awa-bancha (Japanese fermented tea)

抄録

<p>【目的】徳島県で伝統的な製法で作られている阿波晩茶は、乳酸菌で発酵させる後発酵茶である。近年、乳酸菌を用いた発酵食品の機能性が注目されているが、阿波晩茶由来乳酸菌も血糖上昇抑制作用や腸内環境を整えるプロバイオティクスとしての効果が期待されている。そこで、阿波晩茶乳酸菌を用いてサワー種を調製し、ライ麦パン(サワーパン)の開発を試みた。</p><p>【方法】供試菌として、主に阿波晩茶から分離したLactobacillus pentosusを用いた。サワー種はライ麦粉(全粒粉・細挽、富澤商店)62.5g、乳酸菌懸濁液(OD660=0.01)0.625mLおよび水62.5mLを混合後、30℃で24時間培養して調整した。このサワー種を用いてライ麦粉25%(試料A)と50%(試料B)のサワーパンをホームベーカリーで試作した。また比較として乳酸菌無添加の50%サワーパンを焼成した。各サワーパンの比容積、水分量、色調(L*a*b*値)、物性(クリープメーター、(株)山電)を測定し、評価を行った。</p><p>【結果・考察】試作サワーパンはライ麦粉の配合割合が多い試料Bで膨らみが小さくなった。ライ麦粉はグルテンを形成しないため比容積に影響したと考えられた。水分量は試料A:43.79%、B:43.84%、無添加:43.31%であり、試料間に差はなかった。パンの色調は、ライ麦粉の配合割合が多いとL値が小さく暗い色のパンになり、その影響はクラム(内側)よりもクラスト(頂点、側面)が顕著であった。物性の測定結果から、試料Bは乳酸菌無添加に比べて、かためのパンになり、またライ麦粉の配合割合が増えることで付着性の高いパンになることがわかった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390293279512307584
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_162
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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