下処理法の違いによるこんにゃく調理品の特性について

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  • Characteristics of konnyaku cooking by different pretreatment methods

抄録

<p>【目的】こんにゃくを用いた調理では、従来下処理が行われているが、近年では調理の簡便化が求められている。本研究では、市販こんにゃくを用いて下処理法の異なるこんにゃく調理品の特性を調べ、合理的な調理方法を探索することを目的とした。</p><p>【方法】市販の板こんにゃく3商品について、下処理あり(ゆで、電子レンジ、乾煎り)と下処理なし(水洗いのみ)に区分し、おでんと雷こんにゃくを調製し試料とした。これらについて、味のしみ込み具合やにおいの強さを知るための成分分析(水分量、灰分量、食塩相当量、トリメチルアミン残存量)および物性(かたさ、凝集性、付着性、破断応力)を測定した。さらに、におい、味のしみ込み具合、歯ごたえ、嗜好などについて五段階評点尺度法による官能評価を行った。</p><p>【結果・考察】おでんでは、全ての測定項目において、下処理の有無および方法の違いによる有意差はなく、水洗いのみでも味のしみ込み具合やテクスチャーに影響しないことが確認された。一方、雷こんにゃくでは、3商品のいずれでも乾炒り処理は、下処理なしおよびゆでに比べて水分含量は顕著に減少し、食塩相当量は高い値を示した。乾煎りにより脱水して調味料のしみ込みがよくなることが示唆された。また、においでは、水洗いのみに比べトリメチルアミン残存量はいずれの試料でも減少したものの、下処理法の違いによる有意な差は認められなかった。官能評価の結果、3商品を総合すると、乾煎りで有意に歯ごたえが強いと評価されたが、商品による違いもあった。以上の結果から、おでんのような煮込み料理では下処理は水洗いのみに簡略できること、雷こんにゃくのような炒め煮する調理では、水洗い後に乾煎りすることが有効であると考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390293279512315520
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_38
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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