根菜類におけるミネラルおよびポリフェノール量に与える調理操作の影響

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  • Effect of cooking on mineral and polyphenol levels in roots vegetables

抄録

<p>【目的】野菜には、ミネラルやポリフェノールが豊富に含まれている。これらは生体内において様々な生理機能を発揮する。しかし、その必要量は喫食者の身体や疾病の状況により異なる。また、含有量は調理操作によって変化することが知られている。そこで本研究では、喫食者の状況により調理法を選択するための情報収集を目的に、日本人の摂取頻度が高い根菜類に着目し、調理操作の違いがミネラルおよびポリフェノール含有量に与える影響について検討した。</p><p>【方法】だいこん、ごぼうおよびれんこんを試料として、煮物の調理過程をモデルとした操作を施した。すなわち、だいこんは、半月切りにし、下ゆでなし、水または米のとぎ汁で下ゆで後、水で煮熟した。下ゆでの有無に関わらず、合計の加熱時間は15分とした。ごぼうは、斜め切りまたは乱切りにし、水または酢水で浸漬後、水で15分間煮熟した。れんこんは、乱切りにし、水または酢水で浸漬後、水または酢水で10分間煮熟した。煮熟後の試料は、原子吸光光度計でミネラル量を、UPLCでポリフェノール量を測定した。さらに、走査型電子顕微鏡で組織構造を観察した。</p><p>【結果・考察】いずれも煮熟後のミネラルおよびポリフェノール量は減少した。だいこん中のNa、K量は、下ゆでをすると減少した。ごぼう中のK量と1,5-ジカフェオイルキナ酸量は、斜め切りに比べ表面積が大きい乱切りで減少した。ごぼうにおいて、煮熟水に触れる表面部は、内部に比べ、組織の加熱分解が大きいことが観察された。れんこん中のK、Ca、Mg量は、酢水で煮熟した方が減少したが、総ポリフェノール量は水で煮熟した方が減少した。れんこんでは、水の煮熟に比べ、酢水の煮熟は、細胞間の分離が小さいことが観察された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390293279512366208
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_32
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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