事実情報を把握しやすいインシデントレポートの記載研修:新入医療職員を対象として

  • 前田 佳孝
    自治医科大学 メディカルシミュレーションセンター
  • 淺田 義和
    自治医科大学 医学教育センター
  • 鈴木 義彦
    自治医科大学 メディカルシミュレーションセンター
  • 川平 洋
    自治医科大学 メディカルシミュレーションセンター
  • 新保 昌久
    自治医科大学附属病院 医療の質向上・安全推進センター

書誌事項

タイトル別名
  • Training Program on How to Write an Incident Report with Improved Readability: Guide for New Medical Staff
  • ジジツ ジョウホウ オ ハアク シヤスイ インシデントレポート ノ キサイ ケンシュウ : シンニュウ イリョウ ショクイン オ タイショウ ト シテ

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抄録

背景:インシデントレポート(IR)の自由記述の多くは,事実記載が不足し,読解しづらいため,効果的な再発防止を行いにくい.本研究では事実を判読し易いIRの記述法を検討し,その研修を設計,実施した.また,研修と記述法の有用性評価を行った. 方法:まず,当院の12件のIRについて不足情報や難読箇所を整理し,記述法を作成した.次に,記述法を用いて模擬的にIRを作成する研修を設計し,研修医57名,新人看護師97名に実施した.有用性評価として,研修に関するアンケートや,研修成果のIRの文字数,頻出語等の算出を行った. 結果・考察:記述法は5W1Hを含む,事象の時系列で箇条書きする,短文にする,各文に主語を含む等とした.有用性評価の結果,記述法を用いたIRで文字数の増加,事故関係者を表す主語の出現頻度の増加が認められ,関係者-事象の関連性が明確になった.また,短文かつ箇条書きにより判読性も向上した.アンケート結果は概ね肯定的であった.

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