ステロイドが著効した濾胞性T細胞リンパ腫

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タイトル別名
  • Follicular T-cell lymphoma successfully treated with long-term corticosteroid
  • ステロイド ガ チョコウシタ ロホウセイ Tサイボウ リンパシュ

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抄録

<p>濾胞性T細胞リンパ腫(follicular T-cell lymphoma, FTCL)は,WHO分類改訂4版で新たに定義された血管免疫芽球性T細胞リンパ腫と同じ濾胞性T細胞由来の末梢性T細胞リンパ腫である。今回,ステロイド投与のみで長期生存が得られたFTCLの1例を経験した。症例は,91歳の女性。3ヶ月続く全身リンパ節腫脹で受診し,壊死性リンパ節炎の診断後,再生検でFTCLの診断となった。全身のリンパ節腫脹,脾腫,胸水貯留を認め,本人・家族の希望で,化学療法を希望されず,ステロイドでの加療を行った。Prednisolone 100 mg/日の投与から開始し,6ヶ月後には,FDG-PET/CTで寛解を確認した。以後,少量ステロイド投与で3年以上,寛解を維持可能であった。本症例のようなステロイドの加療が奏効する濾胞ヘルパーT細胞を起源とするT細胞リンパ腫が存在することが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 63 (11), 1497-1502, 2022

    一般社団法人 日本血液学会

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