電子線三次元結晶構造解析/3D ED/マイクロEDの解析例と展望

  • 米倉 功治
    理化学研究所放射光科学研究センター生体機構研究グループ 理化学研究所放射光科学研究センター次世代電子顕微鏡開発連携ユニット 東北大学多元物質科学研究所
  • 眞木 さおり
    理化学研究所放射光科学研究センターイメージング開発チーム
  • 高場 圭章
    理化学研究所放射光科学研究センター生体機構研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Examples and Prospects of Electron 3D Crystallography/3D ED/microED
  • デンシセン サンジゲン ケッショウ コウゾウ カイセキ/3D ED/マイクロ ED ノ カイセキレイ ト テンボウ

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説明

<p>クライオEMの主要な手法の一つである電子線三次元結晶構造解析は,試料の微小な三次元の結晶からその詳細な構造の決定に利用される.他の測定では対象外の種々の試料から1 Åを超えた空間分解能の構造が得られるため,生命科学に留まらず広い分野での利用が始まっている.筆者らはこの測定法の開発に初期から携わってきた.現在,水溶液や有機溶剤中または粉末など,いろいろな状態の微結晶に対して,多数の回折データをAI自動測定で集め,構造決定まで短時間で完了できるようになっている.本稿では,この手法の背景,筆者らの最近の研究成果から,ナノグラフェンの従来知られていなかった二重らせん構造,ディスオーダー領域が含まれた有機半導体の構造特性と新しい分子設計の提案,難病のALSに関わるポリペプチドの野生型と変異型の構造及び発病機構などを紹介する.また,放射光と比較し,その適用限界,特性や真の有用性などについて展望する.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 57 (3), 118-123, 2022-12-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

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