当科における多発性筋炎及び皮膚筋炎診断のためのコンコトーム筋生検施行症例とその有用性の検討

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  • A study of patients undergoing conchotome muscle biopsy for the diagnosis of polymyositis or dermatomyositis and its clinical usefulness

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抄録

<p> コンコトーム筋生検は,鉗子を用いて行う筋生検である.開放筋生検に較べ,手技が容易で低侵襲かつ安全性が高いなどの利点があるが,得られる検体は小さいため,診断精度についての懸念があることが欠点である.当科では,2019年5月以降,多発性筋炎,皮膚筋炎,また疾患の部分症としての筋炎が疑われた計7症例に対して,リウマチ内科医である筆者自らがコンコトーム筋生検を施行した.全例検査前に両大腿MRIを撮影し,その所見により左右いずれかの外側広筋を生検部位と定めた.計7例中6例で臨床診断を支持する病理学的所見が得られた.全例検査に伴う偶発症や術後合併症は発生せず,疼痛も概ね軽度であった.従来,筋疾患の病理学的診断にはやや侵襲の大きい開放筋生検が行われてきたが,その手技には熟練を要し,施行可能な医療機関は限られている.多発性筋炎及び皮膚筋炎の病理学的診断にあたっては,コンコトーム筋生検の診断精度は開放筋生検に大幅に劣ることはなく,限られた医療リソースの中で迅速な診断と治療が要求される局面においては十分実用的である.</p>

収録刊行物

  • 臨床リウマチ

    臨床リウマチ 34 (3), 249-257, 2022

    一般社団法人 日本臨床リウマチ学会

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