ゼラチンとコラーゲンペプチド摂取後の血液中環状ペプチドの定量

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  • Quantitative analysis of cyclic prolyl-hydroxyproline in human plasma after ingestion of gelatin and gelatin hydrolysates

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説明

<p>ゼラチンを酵素分解したコラーゲンペプチドは皮膚や関節の状態を改善する機能性ペプチドである.それらの健康効果にはコラーゲン特有のヒドロキシプロリン(Hyp)を含む短鎖ペプチドの関与が推察されている.近年,一般的な直鎖状のペプチドだけでなく,N末端とC末端が結合した環状ペプチドが機能性ペプチドとして期待されている.本研究では,ゼラチン,ゼラチン加水分解物であるコラーゲンペプチド(CP),CP をさらに低分子化した低分子CP の3 種類を被験者7 名に摂取してもらい,摂取前後の血漿からHyp 含有環状ジペプチドのcyclo(Pro-Hyp)を検出定量した.</p><p>結果,ゼラチン摂取1 時間後に環状ペプチドcyclo(Pro-Hyp)が血中で増加し,ゼラチンを摂取することでも環状ペプチドが血中に吸収されることが明らかとなった.血中で増加したcyclo(ProHyp)は,ゼラチン摂取から4 時間後も摂取前よりも高い濃度を維持していた.また,ゼラチンを摂取した場合,直鎖状よりも環状化した状態で吸収されるPro-Hyp の割合が高くなっていた.以上の結果は,cyclo(Pro-Hyp)による生理作用はコラーゲンペプチドよりもその原料であるゼラチンを摂取する方が効果的に発揮される可能性を示唆している.ゼラチン中にはcyclo(Pro-Hyp)は含まれていないため,摂取したゼラチンが体内の消化酵素で切断され,その過程で環状化していると予想される.今後は体内におけるペプチドの環状化メカニズムを解明していく予定である.</p>

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