『教育学のパトス論的転回』を読む(2) : 教育哲学研究のさらなる展開へ

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タイトル別名
  • Reading The Pathological Turn of Education (2) : For further development of educational philosophy
  • キョウイクガク ノ パトス ロンテキ テンカイ ヲ ヨム 2 キョウイク テツガク ケンキュウ ノ サラナル テンカイ ヘ

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抄録

本稿は, 日本教育学会・近畿地区理事会企画シンポジウム(2021 年5 月30 日開催)「『教育学のパトス論的転回』を読む」第二部の報告論文である. このシンポジウムの趣旨は, 岡部美香・小野文生編著『教育学のパトス論的転回』(東京大学出版会,2021 年5 月)の公開合評会を実施することにあった.今日, 教育学あるいは教育哲学に求められているのは, 教育を批判的に問うその問い方自体について, 政治・経済の領域で支配的である技術的合理性や道具的理性とは異なる仕方で何らかの代案を提出することにある.『教育学のパトス論的転回』では, その試みの一つとして, 啓蒙理性の限界について批判的な考察を行うとともに, それとの向き合い方をあらためて構想した. と同時に,さまざまなカタストロフィや受苦的経験はもとより, 人間の経験それ自体に内在するパトスを論じた思想の蓄積を省察し, 人間の生が本来的に包含するパトスについて, その固有の意義の把握をめざした.この問題意識をふまえ, 上記シンポジウムでは, パトスという観点を導入することによって, 教育哲学研究にいかなる転回がもたらされ得るかを中心に活発な議論が展開された.

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