イヌの虹彩毛様体上皮領域に発生したコレステロール肉芽腫の1例

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  • Iridociliary epithelial cholesterol granuloma in a dog

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抄録

<p>症例は9歳去勢オスのトイプードルで、初診時の眼科検査時に瞳孔縁領域で1mm×1.4mm大の白色結節を認めた。結節は虹彩後面より発生し、前房側へ反転した状態であった。内科的治療に反応が見られなかったため、外科的結節切除術を実施した。摘出した組織はヘマトキシリン・エオジン染色とPrussian blue染色を実施し、免疫組織化学染色としてNeuron Specific Enolase (NSE) とビメンチン、S100およびIba-1を実施した。病理組織学的検査でコレステロール肉芽腫(CG)と診断された。結節周囲の上皮様構造でNSEおよびビメンチンが陽性であったことから虹彩毛様体上皮由来であることが示唆された。結節内ではIba-1が陽性であったことから肉芽腫性炎症が示唆され、Prussian blue染色が陽性であったことから、過去に発生した出血が示唆された。眼内CGの報告は非常に少なく、明確な成因および予後が記述されているものはない。本症例報告では、イヌにおける眼内CGの病理組織学的所見と成因に対しての考察を記述している。</p>

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