カルシウム拮抗薬中毒に対し, カルシウム製剤の投与が著効した1例

DOI
  • 岩本 知己都
    国立国際医療研究センター (NCGM) 病院 救急救命センター・救急科
  • 山本 真貴子
    国立国際医療研究センター (NCGM) 病院 救急救命センター・救急科
  • 小島 伸介
    国立国際医療研究センター (NCGM) 病院 救急救命センター・救急科
  • 伊藤 響
    国立国際医療研究センター (NCGM) 病院 救急救命センター・救急科
  • 小林 憲太郎
    国立国際医療研究センター (NCGM) 病院 救急救命センター・救急科
  • 佐々木 亮
    国立国際医療研究センター (NCGM) 病院 救急救命センター・救急科
  • 木村 昭夫
    国立国際医療研究センター (NCGM) 病院 救急救命センター・救急科

書誌事項

タイトル別名
  • Administration of calcium effectively treated the overdose of calcium antagonist : a case report

この論文をさがす

抄録

<p>昇圧薬に反応しないカルシウム拮抗薬の急性薬物中毒に対しカルシウム塩の投与が著効した61歳の男性の1例を経験したので報告する。症例は61歳男性。既往歴は心不全, 高血圧。薬物過量内服による意識障害・血圧低下により国立国際医療研究センター (NCGM) 病院へ搬送された。内服したのは主にアムロジピンベシル酸塩で最大280mgを内服した。血圧低下に対して挿管管理, 中心静脈カテーテルを留置し, ノルアドレナリンの持続投与を行ったが血圧の改善に乏しく, 塩化カルシウム水和物を投与したところ効果を示した。塩化カルシウム水和物の持続投与により循環動態を安定化することができ, 合併症なく第3病日には抜管し, 第12病日に自宅退院した。カルシウム拮抗薬中毒に対してカルシウム塩の投与が著効する場合があるので, 循環動態の改善に乏しい患者に対しては, カルシウム塩の投与を検討すべきと考える。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ