ジョン・アトキンソン・グリムショーの夜景絵画における描画法I
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- 株田 昌彦
- 宇都宮大学
書誌事項
- タイトル別名
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- The Method of John Atkinson Grimshaw’s Moonlight Paintings I
- —From an Analysis of the 1860s Works—
- ―1860年代の作品における分析から―
抄録
<p>本研究の目的は19世紀イギリスの画家であるジョン・アトキンソン・グリムショーの作品を分析し,油絵具で夜景絵画を描く際の手法を明らかにする点にある。そこで本研究はグリムショーの作品を傾向の異なる1860年代と1870年代以降の二部に分けて考察する。本論は第一部として1860年代の作品に焦点を当てた。実見調査はグリムショーの作品を多く収蔵するリーズ美術館やイギリスのギャラリーで行った。これらの調査や文献に基づき次の2つの視点①画面構成(構図,遠近法,配色,描画のための資料など),②技法(支持体やマチエール,画用液,制作過程)から考察した。その結果,1860年代のグリムショーの初期絵画において,1870年以降に制作量が増える夜景絵画に繋がる基礎的な技術が見られた。本論では,その絵画技術の主な特徴として,消失遠近法の導入や補色を意識した配色,描画のための下地として白と透明性の高い褐色の使い分けを指摘した。</p>
収録刊行物
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- 美術教育学研究
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美術教育学研究 54 (1), 81-88, 2022
大学美術教育学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390295603316321536
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- ISSN
- 21893586
- 24332038
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可