肺癌治療中に発症した HHV8-negative common effusion lymphoma の 1 剖検例

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タイトル別名
  • An autopsy case of HHV8 negative common effusion lymphoma that developed during treatment for lung carcinoma

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抄録

<p>背景:HHV8-negative common effusion lymphoma(HENCEL)は体腔液中で増殖する悪性リンパ腫で,WHO 分類における primary effusion lymphoma(PEL:原発性体腔液リンパ腫)とは区別すべき疾患である.今回肺癌治療中に HENCEL を発症した一剖検例を経験し,生前の胸水細胞像を塗抹標本と liquid-based cytology(LBC)標本で比較検討しえたので報告する.</p><p>症例:80 歳代,男性.肺癌治療中に胸水貯留を認め,細胞診および全身検索で HENCEL と診断した.胸水細胞診では N/C 比の高い中型異型細胞に混在して多核の大型異型細胞や多分葉核細胞を認めた.</p><p>LBC 標本では塗抹標本と比較して腫瘍細胞は小型化したが,核形不整像はより立体的に観察できた.剖検で肺腺癌に合併した HENCEL の診断を最終確認した.</p><p>結論:胸水中に悪性リンパ腫を疑う細胞を認めた場合,HENCEL の可能性をも考慮し精査を進めることが重要である.LBC 法の併用では,塗抹標本のみでは観察が難しい有用な情報を得ることができ,HENCEL の診断精度の向上にも寄与しうるものと考えられた.</p>

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