理科教師養成に必要な実験操作法教育ー探究の過程をたどる実験操作教育カリキュラムー

書誌事項

タイトル別名
  • A CURRICULUM FOR SCIENCE TEACHER TRAINING BY USING LITMUS DYE

抄録

<p>現行の理科学習は、昭和43年来の「探究の過程」や「基本的な科学概念の形成」を重視することが受け継がれている。しかしこの方針はかなりないがしろにされており、実験・観察に関する基礎的・基本的な技能が、ほとんど身につかないままで教職につく学生が増えてきている。このような実験操作の未熟な学生を理科教師として育成するには、できるだけ多くの基本的な器具操作と機器を用いた理科の実験操作法に習熟させ、同時に観察・測定・データ処理……等のいわゆる「科学の方法」を身につけながら「探究の過程」をたどらせる、即ち探究経験を積ませる必要がある。こうした教師教育のためのカリキュラムとして、市販リトマス粒から主成分アゾリトミンを分離し、その性質などを追求する過程を計画的に配列して、実験操作法教育カリキュラムを作成した。この内容展開は基本的なものから高度のものに及び、その概略は、①試料溶液の調製(粉砕→溶解→傾斜法→ろ過法)、②色素数の確認と分離法の模索(ペーパー→カラム→液体クロマトグラフィー)、③主成分の分離と精製、④主成分の性質の測定(結晶形、変色域、可視光等の吸光度、融点、分子量、……)となっている。その特徴は、①実験経験の少ない初心者でも、興味をもって無理なく取り組め、②実験の基本的な技法と「科学の方法」の多くの要素を身につけながら、「探究の過程」を体験できる、③器具のエ夫と自作の経験から、教材・教具の開発の視点を身につけることができる、……などである。</p>

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ