書誌事項
- タイトル別名
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- Expectations for utilization of soil animals in upland farming.
- 畑地の土壌動物のはたらきを追いかけて : 2021年度日本土壌動物学会賞受賞記念論文
- ハタチ ノ ドジョウ ドウブツ ノ ハタラキ オ オイカケテ : 2021ネンド ニホン ドジョウ ドウブツ ガッカイショウ ジュショウ キネン ロンブン
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説明
畑地に棲息する土壌動物が農作物の生産にとって好適にはたらくことが期待されることから,土壌動物の有益な機 能を明らかにするために幾つかの試験を実施した.多様に管理された試験ほ場において土壌動物を調査したところ, ミミズ類の個体数と土壌団粒量の間に,またササラダニ類の個体数と可給態窒素量との間に正の相関が認められた.また,ササラダニ類は土壌が不耕起で管理されると有翼類が優占し,耕起されると無翼類が優占した.菌食性のヒダカフォルソムトビムシとアヅマオトヒメダニがアブラナ科野菜に苗立枯れを起こす病原糸状菌(Rhizoctonia solani)を旺盛に摂食して苗立枯れ病を抑制することを明らかにした.ヒダカフォルソムトビムシについては簡易な大量飼育法を確立し,温室内のほ場(約1 m2/ 区)の規模で実施した試験においてもその発病抑制効果は確認された.農家の育苗作業にトビムシを導入したところ,早春の育苗では発病抑制効果を認めたが,育苗土の温度が30℃を超える初夏には全く発病を抑制出来なかった.土壌リン脂質脂肪酸を解析することで土壌微生物相への影響について調べたところ,稲わらが施用された土壌にミミズを導入すると土壌微生物バイオマス量が増加し,また,ミミズの導入と稲わらの施用はそれぞれ独立して土壌微生物相を質的に変化させていることが示唆された.
収録刊行物
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- Edaphologia
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Edaphologia 111 (0), 7-15, 2022-07-25
日本土壌動物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390296885737104896
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- NII書誌ID
- AN00334874
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- ISSN
- 21898499
- 03891445
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- NDL書誌ID
- 032320069
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可