脳における概日時計に基づいた日長情報の神経処理機構 ~野外採集のカメムシを実験モデルにした解析~

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タイトル別名
  • Brain neural mechanism of circadian clock-based photoperiodism: Analysis using field-collected Hemiptera species as an experimental model
  • ノウ ニ オケル ガイヒドケイ ニ モトズイタ ヒナガ ジョウホウ ノ シンケイ ショリ キコウ : ヤガイ サイシュウ ノ カメムシ オ ジッケン モデル ニ シタ カイセキ

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説明

<p>温帯地域では季節の移り変わりによって外部環境が劇的に変化する。このような四季が存在する地域の生物の多くは1日の日長変化から季節を読み取り,生理状態や行動を適切に調節している。体内で約24時間周期のリズムを刻む体内時計である概日時計が,この日長測定に重要な役割を果たしていると考えられている。一方で,情報処理の中枢である脳神経回路内で,概日時計に基づいた日長情報がどのような神経シグナルを介して伝達され,細胞レベルでどのような日長応答を起こしているのかは長年不明であった。著者らの研究グループは,明瞭な日長応答を示すカメムシなどの野外採集昆虫を用いて,細胞レベルでの生理学的解析とRNA干渉法による遺伝子発現操作解析を組み合わせることで,この概日時計に基づいた日長情報の神経処理機構の解明に取り組んできた。本稿ではまず,概日時計に基づいた日長測定機構のこれまでの研究の歴史について紹介する。続いて,近年著者らが生殖機能に明瞭な日長応答を示すホソヘリカメムシを用いて明らかにした,日長情報を伝達する神経シグナルとそれを受け取った生殖制御細胞での日長応答について紹介したい。</p>

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