明石焼とたこ焼の生地の比較

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  • Comparison of akashiyaki and takoyaki batter

抄録

<p>【目的】兵庫県明石市の郷土料理に明石焼があり,元は玉子焼と言われ,たこ焼とよく似た料理である。江戸時代,明石では人工珊瑚を製造する際に卵白を使用し,残った卵黄とじん粉(浮き粉:小麦でん粉),だしで生地を作り,明石で豊富に獲れたタコを入れて銅鍋で焼いたのが明石焼きの始まりとされる。今日の明石焼では卵が多く使われているが,卵黄量については見聞きしない。じん粉は明石市では市販されているが,神戸市より東では販売が珍しく,明石焼も兵庫県南部以外では販売する店舗が少ない。そこで,現在の明石焼の生地の調製方法について調査し,明石焼とよく似た料理であるたこ焼と比較した。</p><p>【方法】材料配合割合は文献やレシピサイトから調査した。明石焼は明石駅周辺の5店舗で,たこ焼は大阪駅周辺の5店舗で購入して,かたさ,色,塩分を測定し,官能評価より比較した。</p><p>【結果】明石市観光協会や明石焼店のレシピでは小麦粉の他にじん粉の使用がみられたが,企業や個人のレシピではじん粉が不使用で,薄力粉に強力粉や片栗粉を加えたレシピがあり,じん粉が入手困難であると推察された。生地の配合割合はレシピによって差がみられたが,卵量は明石焼がたこ焼よりやや多く,だし量は同等かたこ焼がやや多かった。生地の塩分は,明石焼がたこ焼きより高かった。これは明石焼きはだしに漬けて食べ,たこ焼はソースをかけて食べることが多く,食べ方の違いが影響したと考えられた。また,明石焼の生地の塩分量とだしの塩分量の比率は店によって異なり,それぞれ生地に合うだしの塩分を調製していることが推察された。官能評価では,明石焼はたこ焼きよりやわらかく,卵とだしの味が濃く感じると評価された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297427372399872
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_129
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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